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[4] 【W-04】「A Paladin in Hell, Final Quest」準備スレッド
日時: 2017/07/09 22:28
名前: らぱんどら ID:IgvLcTIc

【W-04】「A Paladin in Hell, Final Quest」準備スレッド
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グランド・エピローグ ( No.195 )
日時: 2017/10/21 02:23
名前: らぱんどら ID:pi4vY3Y2

●エピローグ
・C.Y 601 年、修壁月[Patchwall] 7日、アダンマンフォート
『我は出発するが、その前に我が去ったこの世界を、貴公らのように暖かく善なる手に預けることができて嬉しく思う。光の諸力は、貴公らのような〈戦士〉を常に必要としているのだ。』
 クリサンドラル卿は聖杯とともに天に還った。

 この日多くの奇跡がおきた。
ネヘオド寺院は帰還し、奇跡の象徴となった。

「真なる英雄の証とは、到底克服不可能と思える障害に直面した際も、努力を諦めることなく、勝利を確信し続けることができるか否かにある。
クリサンドラルはまさにこのような英雄であった。
地獄の門でさえ、彼を拒むことはできなかった。
 そしてクリサンドラルを天に還し、寺院を地に返した冒険者達こそが
彼らを継ぐものでありまさに英雄の中の英雄といえる」

 最も重要なことは、生還した冒険者が地獄の軍勢に直面し、そして首魁であるネッソスの王主もまた、多いなる天輪に戻すという完全勝利を得たことだ。
 吟遊詩人は彼女らの苦闘の詩を謡うだろう。
そして庶民はその恐怖を振り払うため、彼女らの偉業を讃える物語を語り継ぐだろう。
 大いなる英雄の物語は伝説となる。

・C.Y 601年、修壁月[Patchwall] 18日、グレイホーク
「Trick or Treat!」
子供達がかぼちゃで作ったジャック・オー・ランタンを持ち町中を飛び回る。
ウィックリーズ[Wiccrhys]と呼ばれる万霊節[All Hallows Eve]のお祭りである。
 子供達にとっては妖精に仮装して遊びまわるこのお祭りが、術者にとって物質界と隣接界との境界が薄くなるこの夜には、聖なる儀式の一環でもある。
「Trick or Treat!」
西洋風の建築物が軒をつらねる“フラネスの宝石”グレイホークにおいて、ひと際異風をはなち普段は人をよせつけない雰囲気を持つイスタス神殿もまた、この日ばかりはウィックリーズで子供達が横行する。
 その中、道化に扮した子どもが神殿をおとずれる。
「愚者の帰還?おれいは何がいいのかしら」
 神殿の主であるイスタスの巫女マチルダが応じる。
「ソウルケーキ[Soulcakes]、ソウルケーキじゃ!」
 道化が応える。子供というにはいささか無理があるものの、
声自体は無邪気で、どこか幼い、いやいたずらっこの風がある。
「ゴリラで大分頼まれたのではなくて?Z?」
「あれほど冒険者が集まったのじゃからな、サービス、サービスじゃよ」
といいつつケーキを丸飲みする。
「“世界”は“世界”に戻りましたよ“愚者”」
「誰もがいつかは死ぬ。だが、いつか復活を果たすもの、じゃよ」
 といって神殿の前に立ち並ぶ出店の一つで行われている人形劇を示す。
そこでは“誰もが生あるものはいつか死ぬが、いつか新し形で復活を果たす”
という輪廻転生を歌った内容の無言劇が演じられている。
「知っていたのですか?この結末を」
「知るよしもない。全ては闇と混沌の中だった。」
「これは試練だったのですか?」
「差し手はわしではない。わしがただ…」
「ただ…」
「信じていたじゃだけよ」

・AC2017/10月20日、日本国東京日本橋
「それは栗山部長の経営管理学修士、MBA習得を祝って!」
「乾杯!!」
 祝杯があげられ、その後拍手と祝辞の声が次次と主賓である部長にかけられる。
「流石はクリサン…いや栗山部長っすね!」
「聞きましたか?先刻ライバル企業の捏疎巣商社、不渡りを出したそうですよ」
「もうこれで勝つのは約束されたも同然すよ」
 それまで冷静に無言で対応していた栗山部長の片眉があがり、声を発する。
「約束された勝利の剣……それはもう私のものではない」

・C.Y 601年、修壁月[Patchwall] 28日、奈落1階層パズニア・千年平原“大ジグラット”
 奈落の極彩色の景色にあってなお数多の色に塗り分けられた階段式テラスからなる巨大な石造建築物である大ジグラット。
 その最下層の広間、通称“女王の秘密会議場”は紫色の巨石でできた12のモノリスが虚無の円卓を囲む形で構成されている。
「アスモデウスはネッソスの主から転生し、本来の“宇宙蛇”に転生した」
議長である01と記載されたモノリスが告げる。
「これでブラッドウォーによっておきる戦乱から“魂”と“霊”を効率よく行うサイクルが破壊されたのでないか?」
とは02。
「いや地獄は最近、一人勝ちをしつつあったアスモデウスの神格化が最たる事実だ。
ならば地獄の混乱はなを一層の戦禍を巻き起こすともいえる」
とは03。
「問題なのは…
 我らの走狗として切り札でもあったアスモデウスが“宇宙蛇”になったことで
我らの憎むべきマルチバースが強化されたということだ」
とは04。
「それだけではない。今回の事象で我らが苦労して堕落し歪めた“聖杯”が天に還ったばかりか」
とは05。
「“女王”とミスカの喪失と引き換えに離散したはずの“天の騎士”と“天の宝具”が再結集したことだ」
とは06。
「しかも“真打ち”が再生したことも、我らにとっては脅威だ。
あれは我らが堕落させ歪めた贄を清め、還すばかりか」
とは07。
「我らを滅ぼすことができる唯一の宝具でもあるのだ!
ミスカと女王の件を忘れたか“パズラエル”よ!」
とは08。
「仮そめの名とはいえ“銘”をいうとは大人げないですな“蟲のプリンス”よ」
とは09。
「作戦は成功したのです」
と話を続ける。
「どこをどう成功したというのだ!」
と02から08たちが点滅をして抗議を露わにする。
「あの日集結した創世の力は善なる力と結びつき世界をつつみました。」
「それこそが問題ではないか!」
「そう、それこそが回答だったのです。」
「?」×7
「あの日、聖なる光はまさにマルチバースの隅々まで浸透しました。
全マルチバースの至高から奈落まで」
「…そういうことね」
とはそれまで沈黙を守っていた座主の位置にある00。
「その通りです。我らが求めている究極の至高物“悪の欠片”。
その位置が特定されたのです!!」
「そのわずか一つかみだけで、ネッソスの主として十二分な力を引き出す“悪の欠片”。その本体の位置が分かったことで、我々の計画は最終フェーズに入ったということか」
とは10。
「ならば、もはやアスモデウスは用済み、使い捨てても問題なし…ということか」
とは03。
「その通りです“深淵の王子”よ」
と09。
「だが、今回の事象において生まれた“聖剣”そして“聖杯”は危険だ。」
と11。
「我らにはいつも通り、伏してまてば良いのです。」
とは09。
「そのとおり。
定命のものなれば、もの100年もたてば消え果てます。
我らにとっては1世紀など、瞬きのようなもの。」
とは01。
「では次回の会議の時まで、現状維持を最優先に。
次回の会議は99年後とする」
との00の宣言ののち、モノリスは一つ、一つと消えていく。
 最後に残ったのは09と12。
沈黙を守っていた12が09に問いかけるように点滅を放つ。
「わざわざ残ったは我に聞くべきことがあるのかえ?」
とは12。
「その通りです“デーモンの母よ”。」
とは09。
「ダゴンよりも悪知恵の廻るお主が聞きたいこととはなにかえ?」
「お知りでしょうに」
「沈黙が答えじゃ」
「では私も賢者の問いで問いましょう。
今回の“愚者”の配役は“道標”でもなく“信号”でもなく“戦士”でもない。
“演出”の役割ですな?」
デーモンの母と呼ばれし12は青いオーラを放ち、沈黙で答える。
それに満足したように09のモノリスも消える。
「賢者ゆえに愚者を恐れるかパスラエルよ。
重要なのは彼らは消して“ダイス”を振る
他者に依存、委譲しなかった、意思を放棄しなかったということだ。
それこそが…」
 青ざめた夜の声は虚空にきえていく。
残ったのはどこまでの深淵に続くかのように見える円卓のみ。

・C.Y 700年、修壁月[Patchwall] 8日、アダンフォート
「今日は何のお祭りなの、シメンおばぁちゃん」
 鋭利そうな少女が老婆に声をかける。
「今日はね、約束された言葉が届く日のだよ」
「約束?」
「そう、昔おばぁちゃんのお友達が、世界の果てで告げた約束が、
このオアースに届く日なのだよ」
「ふーん、約束ってなんなの」
「それはね…」
 深夜。
そらには満天の星が輝くもいまだ夜明けには遠い。
魔法と法力が刻一刻と失われ、黄昏の時代と呼ばれた600年代が終わり
何かが変化するのではないかと言われてはや10月。
 時代は世界はなお薄暗闇、黄昏の世にあった。
秩序はアダマンフォートを中心に再構築された、
国際騎士団とも呼ばれる聖杯騎士団とその分派によって
かろうじて護られていたものの、
辺境では滅びた町々やコロニーも多いという。

「さびしいね」
「さびしいのう」
「きれいだけど」
「きれいだのう」
「もっと!」
「もっと?」
「明るく暖かい世界であってほしいな!」
[Fiat lux!]
 老婆が十字をきり少女が手を天に掲げた刹那!
光が満ちる。
今から百年前に、オアースから100光年はなれた
認知世界の果てで、約束された言葉が
今光とともにこの地に到達したのだ。
 世界は再生をし続ける。
想いが巡り繰り返し、共感を与えるならば。
「オアースが百年続きますように」
 シメンは祈る。
いつか親友が教えてくれた光景の中で。

………Fin.


これでDAC本家における、私の活動はおしまいです。

ありがとうございました。

DACが100年続きますこと祈って。

メンテ

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