落陽の都市ディマイェン/Dimayen ( No.82 ) |
- 日時: 2016/10/01 18:46
- 名前: 位坂敏樹(misaka) ID:wU4ELrJc
- http://ux.getuploader.com/DAC2016_FofDust/download/1/dimayen.jpg
●落陽の都市ディマイェン/Dimayen 秩序にして中立、大きな町 LN large town Corruption +2; Crime -3; Economy +1; Law +4; Lore +2; Society -3 Qualities insular, rumormongering citizens, strategic location Danger +5
DEMOGRAPHICS Government 独裁制 Population 4,890 (4,590 humans, 201 sulis, 47 halflings, 18 half-orcs, 34 other)
Notable NPCs Arakor Shonar (NG male human cleric of Sarenrae 8) Malzan Kitram (LN female human aristocrat 10) Sameer the Water Carrier (NG human expert 5) Sayid Aaban (NG male human investigatorACG 4/monk 3) Tianka Whitewater (LE female old human aristocrat 6, wizard 8) Vhal Shimam (LE male human sorcerer 11)
MARKETPLACE Base Value 2,200 gp; Purchase Limit 10,000 gp; Spellcasting 5th Minor Items 3d4; Medium Items 2d4; Major Items 1d4
一世紀以上もの昔、ディマイェンはカディーラのサトラップのうちの大部分を占める役立たずの土地、メラズ砂漠を 再び植民地化する試みの為に建てられた最も新しい入植地の1つだった。遊牧民ホワイトウォーター一族が砂丘の うねりの中に泉を発見したことにより、当時の大宰相はオアシスを存続可能な都市として維持し続ける場合に限り、 その水源の独占権を一族に与えた。最初の数十年は、ホワイトウォーター一族は適正な価格で泉の水を農民に提供し、 得た利益を遠くメラズ河へと接続する灌漑計画へと投資することで更なる利益を獲得した。 しかし、より大きな富を得て生まれた者達が世代を重ねるうちに共同体に対する関心を失っていった。
10年前、現在の家長ティアンカ=ホワイトウォーターは先祖の用水路の殆どが失われた時、泉の水の価格を引き 上げることにより答えとした。かつては前途有望な新興都市であったディマイェンは、現在ではまず自らの農作物に 水を与える事が出来ない窮余の農民達が緑の牧草地を求めて逃げ出し、そしてそれに続いて町の承認、多くの交易商達が 逃げ出すという悪循環により急速に衰退しつつあり、結果として食料や生活必需品の価格が急激に上昇した。
現在、ディマイェンにある建物の半分は空き屋か廃墟であり、砂漠はまるでかつての繁栄の代償の請求するかの ように町を侵食しつつある。更にアンケグのような砂漠の狩猟者達が残された農場すら捕食し始めている。 ディマイェンに残された住人は奇妙な収穫を得る頑固な農民、裕福な貴族、そして捨てられたものは何でも利用する 屑拾いで、更に遊牧民のキャラバンが代わる代わる暮らし、傭兵を引き連れた商人がメラズ砂漠を渡る途中で泉の水を 求めて立ち寄る程度となっている。
ディマイェンの失われた栄光を誇張した物語を共有することは、町でも人気が高い娯楽となっており、ほぼ全ての 住人が自分達の若い頃の驚くべき事柄や失われてしまった慰めを蘇らせる案の物語を抱いている。これらの計画の 大半は用水路の修復を中心としているが、これまでに実行された計画のほぼ全てがアンケグによる攻撃か超自然的な 不運の連続によって失敗してしまっている。
>三重の円環 ディマイェンは経済的、そして入植者が参入した時期により3つの階層に区別される。 第一サークルに棲むのはディマイェンの最初の入植者達の子孫である。彼らは町の中心部の城壁の内側区画に 棲んでいる。ホワイトウォーター一族が最初の泉を自由に扱うあいだ、その他の家族達はそれぞれの第2の泉 を使用することから、他の大部分の者達は第一サークルの住人達を総括して”水神達(Water Gods)”と呼んで いる。ディマイェンの経済的な困難は、しかし第一サークルには影響を与えるには至っておらず、従って外側 のサークルの崩壊が進むにつれ、その相対的な貧富はよりいっそう明白となる。
入植開始後に町に住むことになった者達が暮らす第二サークルでは、”水神達”から水の権利を購入すること を強いられており、高い壁と攻撃的な衛兵達から距離を置いて住居を構えている。住民の多くは農民とより いっそう法外な値段で水を求めて立ち寄る旅行者達に水を売りつける行商人で、そこそこの大きさの家と店を 町の周囲に巡らせている。このサークルを運営するのは積極的な商業評議会で、彼らがオアシスにおける独占権を 維持している。多くの者達が成り上がりの夢を抱きこの地へと来たが、大半はただ膨大の負債の重圧に押し潰される だけに過ぎない。第二サークルは最も大きな地域であり、様々なタイプの建物が乱立している。
ただの通りすがり、あるいは干魃により壊滅的打撃を受けた農夫といった貧しい者達がみすぼらしいテントや 日干しレンガの掘っ立て小屋からなる隊商宿や住居の寄せ集めで出来た第三のサークルにて暮らしている。 幸運にも水運びとして骨の折れる仕事を得た者以外は、他者からの施しを受け、盗みを働き、そして生き残る為に 火事場漁りに精を出している。治安が悪く危険な第三サークルで生き残る為の術を身に付けた者達は往々にして キャラバンの護衛に伴う事で職を見出すこととなる。強請と強盗の集団組織である悪名高い”盗賊の兄弟達” が第三のサークルに於ける生活の全ての局面を支配しているが、町の大半が荒廃し崩壊しつつある今日では、 寄生者達は搾取するべきごく僅かな無力な市民しか見出すことが出来ない。
>著名な場所と人々 1.”水神”ホワイトウォーターの泉 /”Water God”Whitewater Spring ホワイトウォーター一族は表向きでは、サトラップの州法とこの地域で最大の軍事力を所持することにより この地域の支配者の地位にあるが、実際にはただ絶え間ない金の流れを維持するだけで政治的な支配力を持つ に到っている。 ホワイトウォーター一族こそは公式に存在する唯一のディマイェンの泉の支配者であり、街の中央に位置する 緑豊かで豪奢な館の所持者でもある。
2.ロングマーチ・マーケット /Longmarchers Market 午後に到着する行商人達からこう呼ばれるこの市場は、街中で最も忙しい場所でありディマイェンで最も古く シーツ、ワインからポーションと鎧兜まで目眩が起こる程多彩な商品を売っている。評議会に所属する12の常設 の店が評判の良さを保ち、行商人と職人から品々を買い取り販売を行っている。しかし、絶え間ない経済的な 困難により評議会の会員は繰り返し変わり続け、現在では次の主人を待つ空き屋が一軒存在している。
3.シマーンの大浴場 /Shimam Baths シマーン一族はホワイトウォーター一族に並ぶ競争相手であり、ミネラル分を多く含むが故に独特の風味を持ち あまり飲用には適さない”純粋なる心の泉”を支配している。彼らは主に第三サークルに水を販売しているが、 一族の主要な収入はこの立派で精巧な公衆浴場により得られており、また最初の入植者達の中でも公平であることから 尊敬を得ている、シマーン一族はイフリートの血を引いていると主張しており、各世代に最低でも一名のソーサラーを 輩出している。噂では、ヴァール=シマーン(Vhal Shimam)はサラマンダーの愛人を囲っており、それにより火事や 貴重な木材を消費することなく温泉を維持、管理していると言われている。
4.”神話と忘却されし者達” /Fabled and Forgotten この豊富な在庫を持つ書店はサイード=アーバン(Sayid Aaban)により運営されている。サイードは歴史すら 忘却した大昔に強大な悪霊を封印した一族の末裔であり、その長兄デフルヴァト(Dehlvat)を筆頭に子供達も この地で旧い書物を集めたりや遺跡を探索したりしている。 噂では、サイードはホワイトウォーター一族に大きな借金をしており、近々その負債を請求されるのではないか と言われている。
5.”獅子の咆吼”の兵舎 /Lion's Roar Barracks: イズレーシャ=タマール隊長により率いられる”獅子の咆吼”傭兵団の評判は、しかしディマイェンの運命と 同様に着実に下降しつつある。
6.”赤砂の隊商宿”/Red Sands Caravanserai ”赤砂隊商”は、ホワイトウォーター一族がこのオアシスを発見するより遙か前にディマイェンの泉を利用 してきた遊牧民の一族である。彼らはこの地に財産を集め、病気や年老いた者達が休むための定住地を維持している。 ”片足の”ガザール( one-legged Ghazal/CN female human ranger 8)により率いられる彼らはその大半が戦士 であり、更に殆どの旅行者達よりも砂漠について詳しい為、多くの氏族の人間や人怪達と良好な関係を築いている。 彼らの収入の大半はメラズ砂漠で暮らす多くの共同体の為の使者や交易商人としてのものである。
7.カバイシ貯水池 /Kabahsi Reservoir かつては市内を巡り農場へと流れるメラズ河からの流れを受け止める為の貯水池であったこの場所は、しかし 運河の破綻によって現在では流れの滞った泥水が留まるだけのため池となっている。これまで、何人もの事業家が この場所を復活させる為の試みを行ってきたが、全ての試みが致命的な破綻をもたらしたに過ぎなかった。 現在、”精密なる”カーマン(Kamahn the Precise/LN human adept 9)が地元の数学者と占星術師の協力でより 安全な発掘方法を開発したと主張しているが、地元住人達は彼のプロジェクトを用心深く注視している。
8.ナブルシィの家 /House of Nabulsi 旅館兼馬屋のこの館はホワイトウォーター一族が入植するよりもずっと前に小さな厩舎としてこの地にあった。 宿は善意に溢れた激情家のハーフリング一族ミラケッシュ一家(The Milakesh family)の長男ダーラム(Durham) が無秩序な宿の拡張を監督し、その母ナニー=ミラケッシュ(Nanny Milakesh (NG female venerable halfling slayerACG 1/expert 8)がその宿を運営した。 一族は小さな山羊の群れの飼育と同じぐらい地元産業支援の為の投資を好んでいるが、それらの努力が失敗に 終わり、一家がその投資について集金が必要となった時には、傭兵と冒険者が雇われる。
9.溢るる歓喜の寺院 /Shrine of Overflowing Joys この質素な木と石造りの寺院は永年の使用で摩耗しているが、清潔を保っている。アラコール=ショーナー大司祭 (High Priest Arakor Shonar)がこの寺院を管理している。
尚、〔聖剣の守り手〕特徴の持ち主はサイード=アーバンの親族となります。
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